第32回札幌講演会「雪崩から身を守るために」《事前登録制》
盛況のうちに終了しました.
第32回札幌講演会「雪崩から身を守るために」
【日 時】 2024年10月26日(土) 10:00〜18:00
【会 場】 北海道大学 高等教育推進機構 大講堂
札幌市北区北17条西8丁目
一般車の入構はできません。近隣の駐車場をご利用ください。
【定 員】 500名
【本日満席】本日は定員いっぱいのお申し込みを受けております。事前登録なくお越しいただいても入場できない可能性があります。
【共 催】 北海道大学体育会山スキー部・公益社団法人日本雪氷学会 北海道支部・雪崩事故防止研究会
【プログラム】
司会:中川伸也(雪氷災害調査チーム、natures.)
10:00~10:05 開会挨拶 松澤勝 (公益社団法人 日本雪氷学会北海道支部)
10:05~11:05 「雪と雪崩の科学」(参考図書)
勝島隆史(国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所)
11:05~11:35 「雪崩事故調査報告・研究者の視点から〜利尻山(1 名死亡)・羊蹄山(2 名死亡)」(参考図書)
原田裕介(雪崩事故防止研究会、雪氷災害調査チーム、寒地土木研究所)
11:35~12:00 「防災科研のニセコでの気象観測と情報提供」(参考図書)
山口悟(雪崩事故防止研究会、雪氷災害調査チーム、国立研究開発法人防災科学技術研究所)
12:00〜12:30 《エアレスキュー訓練会場へ移動》
12:30~13:30 [北海道防災航空隊による雪崩事故現場におけるエアーレスキュー実演]
下田大輔(北海道防災航空隊隊長)
〈会場:北海道大学 陸上競技場〉
※悪天候あるいはヘリが出動した場合は訓練実演を中止し、講演に変更します。
※ゴーグルの着用が義務づけられました。ヘリのダウンウォッシュ体験希望者はゴーグルを必ずご持参ください。
13:30〜14:20 《昼休み》
14:20~15:20 「スキーガイドの行動学 〜雪崩に遭わないために、そして雪崩から仲間を救うために〜」(参考図書)
塚原聡(雪崩事故防止研究会、雪氷災害調査チーム、、北海道山岳ガイド協会副理事長、、(公社)日本山岳ガイド協会、北海道バックカントリーガイズ)
15:20~16:00 「雪崩事故調査報告・ガイドの視点から〜利尻山(1 名死亡)・羊蹄山(2 名死亡)」(参考図書)
佐々木大輔(雪氷災害調査チーム、日本山岳ガイド協会理事、北海道山岳ガイド協会理事長、国際山岳ガイド)
16:00〜16:10 《休 憩》
16:50~17:10 「那須雪崩事故の真相〜3 教諭に実刑判決〜」
阿部幹雄(雪崩事故防止研究会、雪氷災害調査チーム)
17:10~17:50 「16歳の淳生を雪崩で失って」
高瀬晶子(那須雪崩事故遺族)
17:50~18:00 閉会挨拶
藤巻大晟(北海道大学体育会山スキー部第 112 シーズン主任)
<ビデオメッセージ>三浦雄一郎(株式会社ミウラ・ドルフィンズ、北海道大学山とスキーの会)
- ※雪氷災害調査チーム:公益社団法人日本雪氷学会 北海道支部 雪氷災害調査チーム
- ※都合により講演時間、講演者等変更になる場合がございます。
【参考図書】 講演は参考図書に準じた内容となります。事前に一読することを推奨いたします。
講師紹介
阿部幹雄
1953年愛媛県生まれ。雪崩事故防止研究会代表、雪氷災害調査チーム前代表、北大山とスキーの会、イトウの会、オビラメの会会員。中国高峰の遭難で生き残り、長く遺体の捜索収容活動を行ってきた。第49、50、51次南極地域観測隊セール・ロンダーネ山地地学調査隊フィールドアシスタント。南極野外食(フリーズドライ製法)を開発。南極野外食は宇宙食となり、多くの日本人宇宙飛行士に供給した。今年新たに5品目が「宇宙日本食」としてJAXAの認証を取得。
山口悟
1971年茨城県生まれ。国立研究開発法人防災科学技術研究所上席研究員、北海道大学低温科学研究所卒 博士(地球環境科学)、2010年から日本雪氷学会雪崩分科会理事、雪氷災害調査チーム。2002年に防災科学技術研究所に入所以来、積雪の物性や雪崩の発生メカニズムなど雪氷災害に関する幅広い研究に従事。その成果は海外の雑誌に多数掲載されている。また研究内容が評価されて2010年、2023年に日本雪氷学会北信越支部から、また2012年、2024年に日本雪氷学会から、それぞれ学会賞が授与されている。近年は、科学的情報に基づくスキー場の雪崩安全管理に関する研究を地元自治体やスキー場(ニセコ、白馬、谷川岳、大山)と共創しながら実施している。
中村一樹
1968 年北海道生まれ。博士(環境科学)
国立研究開発法人防災科学技術研究所雪氷防災研究センター長。
公益社団法人日本雪氷学会雪崩分科会幹事長、同学会北海道支部雪氷災害調査チームに所属。
気象、雪氷災害の軽減に関わる研究や活動に携わる。
気象予報士。
著書:「山岳雪崩大全」(2015共著)、「雪崩教本」(2017共著)、「増補改訂版雪崩教本」(2022共著)すべて山と溪谷社、「ゆきゆきだいすき」(2022データ監修)ほか多数
原田裕介
1973年愛知県生まれ。(国研)土木研究所寒地土木研究所雪氷チーム主任研究員、博士(農学)、気象予報士、技術士(建設部門)。日本雪氷学会雪崩分科会幹事、雪氷災害調査チーム。1994年より信州大学農学部にて故若林隆三教授に師事し、山岳域の雪崩と積雪について研究。1999年より民間企業、2011年より土木研究所にて主に北信越・北海道・東北地方における道路の雪崩・吹雪対策のコンサルティングおよび研究に従事。将来、山岳域で役立つ雪崩予報の提供に少しでも貢献できるよう精進している。
塚原聡
1969年 北海道生まれ。日本山岳ガイド協会所属、北海道山岳ガイド協会理事、雪氷災害調査チームガイド部門代表。1998年 札幌の山岳ガイド会社ノマドにてガイド活動をスタート。バックカントリー黎明期より北海道の山々を開拓し、年間100日以上を雪山で過ごす。2006年赤井川村に拠点を移し、北海道バックカントリーガイズ代表として、ガイド業務のほかスキーガイド検定員、雪崩や雪山でのリスクに関する啓蒙活動も行なっている。
佐々木大輔
1977年北海道生まれ。国際山岳ガイド、日本山岳ガイド協会理事、北海道山岳ガイド協会理事長、雪氷災害調査チーム。20歳代からエクストリームスキーヤーとして世界各地の大会を転戦。同時に北海道の仲間たちとデナリ(2000)、北千島(2001)、グリーンランド(2003)、パタゴニア(2007)などにシュプールを刻む。第51次南極観測隊セール・ロンダーネ山地地学調査隊フィールドアシスタント。国際山岳ガイドとしてヨーロッパアルプス、ロフォーテン諸島、グリーンランドなどでのガイディングを行う。2016年デナリのカシンリッジを登攀し南西壁を滑降。2023年パキスタン・カラコラムにてスキー遠征。出演番組:「厳冬の利尻・最果ての富士の大滑降」(2013)、「世界初 極北の大冒険デナリ大滑降」(2017)以上NHKほか多数。
高瀬晶子
1966年栃木県生まれ。高校教員だった高瀬昌二さんと結婚、二児の母となる。ソフトボール部顧問だった昌二さんは生徒の指導に情熱を注いでいたが、次男淳生(あつき)さんが11歳の誕生日を迎えた日に癌で亡くなった。3年間の闘病の末に父(46歳)が亡くなり、淳生さんは本来の姿を失っていった。14歳の時、淳生さんが計画し、四国の遍路道をいっしょに歩いた。そのころから元気を取り戻し始め、大田原高校に入学すると山岳部に入部。「すごく楽しい」と重いザックを背負い、自主トレをするようになった。だが、那須雪崩事故で亡くなった。「どうして淳生は死ななければならなかったのか。真実を知りたい」と願いつづけている。
下田大輔
1983年函館市生まれ。
消防団員だった父の影響を受け、函館市消防本部の消防士になり救助隊、消防隊、指揮隊の経験を積んできた。
2022年4月から北海道防災航空隊副隊長、2023年4月から隊長。
函館市で勤務していたとき、水難救助活動中に同僚が負傷し、現在も復帰できていない。
消防士として心がけるのは無事に生きて還ること、仲間を家族のもとに無事に帰すこと。
人間を助けるという意識を強く持ち、迅速さではなく社会復帰できるように優しく救助したい。
救助は早くて一人前、優しくて一流を目指している。
北海道防災航空隊
北海道総務部に「防災航空室」が設置されたのは1996年。「はまなす2号」が導入され、全道の地域消防から消防吏員8名が派遣され「北海道防災航空隊」が発足した。運航体制は、夜間宿直と非常招集により一年365日の出動を可能にしている。2019年に「はまなす1号」が導入され2機体制、本年から道警航空隊と共同運航を開始した。年間出動件数は、およそ150件。全国で最も広大な管轄面積のなか、救急、火災出動のほか、山岳救助出動では、重傷、重篤な遭難者などの救助に活躍している。
藤巻大晟
北海道大学体育会山スキー部第 112 シーズン主任
三浦雄一郎
(株)ミウラ・ドルフィンズ、北海道大学スキー部 OB
中川伸也
1978年北海道生まれ、「natures.」代表。 日本山岳ガイド協会(登山ガイドⅡ、スキーガイドⅡ)、雪氷災害調査チーム。 14歳でスノーボードと出会いハーフパイプ競技に没頭し、プロ資格を取得するも競技から離れ、バックカントリーの世界に魅了される。「CAR DANCHI」シリーズなどDVD作品に出演多数。スノーボーダー、スキーヤーが楽しく安全に雪山を滑走して欲しいとガイドの道を歩む。活動拠点は、大雪山国立公園がある東川町。