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第29回講演会「雪崩から身を守るために」開催報告

400名と76,965円

 北海道大学で10月30日(土)に開催された第29回講演会「雪崩から身を守るために」の参加者は、400名。  
 今年、いくつか改革を行いました。その一つが、「雪崩に遭わないために、そして雪崩から仲間を救うために〜山岳ガイドの行動学〜」の登場です。塚原聡さん(北海道バックカントリーガイズ)が、ガイドの視線から講演をしてくれました。改革の二つ目は、講演時間を60分から90分への延長です。延長したのは、「雪と雪崩の科学」(尾関俊浩)と「雪崩の医学」(及川欧)です。参加者の中心は40代、50代、そして30代、60代です。女性の参加は、約3割。若い世代の増加、女性の増加傾向が今年も続きました。  
 北海道防災航空隊によるエアーレスキュー実演は2014年から始まり、今年で8回目。ヘリから降下した2名の隊員がワイヤレスマイクを装着し、救急救命活動をトラックの荷台上で演じ、解説をしました。見やすく、声がよく聞こえるよう改善しました。遭難者パーティーはガイド(高田健史、佐々木翔平)が山スキー部員4名を率い、雪崩埋没者のリアル感を演出。骨折の固定、ラッピングをして心肺蘇生を行いました。ホバリングするヘリに近づき、風速20㍍/秒の強風を浴びるダウンウオッシュ体験。希望者だけがヘリに近づくはずでしたが、気がつけば全員が列をなしてはヘリの近く歩きました。想定外のことが起きても地上の4隊員が安全を確保しつつ、柔軟に対応する道防災隊に感謝です。一般の人がエアーレスキューを見学できるこんな講演会は、日本で唯一です。
 講演会は無料で開催しています。11月には、白馬、宇都宮、東京を開催します。すべて無料。開催には、お金が必要です。12社が協賛をしてくれているからこそ、無料開催ができるのです。参加者にお願いすると、76,965円が募金箱に入りました。  雪崩の教科書を見ながら、講演を聴く人たちの姿が目立ちました。会場で売れた「山岳雪崩大全」8冊、「雪崩教本」46冊。私は、新たな初心者の参加が増えたと受け止め、雪崩を学ぼうとする意慾を感じました。
 主催に加わっている北大山スキー部員、上川岳雪崩事故を起こしましたが、セルフレスキューとコンパニオンレスキューによって生還できました。雪崩から身を守り、山から生きて還るための活動を、私たち雪崩事故防止研究会は続けます。

第29回講演会「雪崩から身を守るために」 in 札幌《事前登録制》

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